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見るということ

見えていなかったものを可視化するという意識

私たちは、何かをしっかり確認するとき「きちっと見て確認する」といいますが、実際は見ていません。

見ているのは脳なのです。

目の水晶に光が差し、網膜に当たった光を電気信号で脳が受け取り、その信号を記憶から解析してイメージにします。ですのでイメージはその時その時の感覚や色で変化します。

可視光線は見れますが、X線や赤外線は脳が認識できないので、見ることができません。

そして、その時、脳が記憶と経験から、いくつかのポイントを押さえ識別し、判断しています。

私たちが普段から見ている目の前の現実は、実は見ている人によって、見えているものが全く異なります。隣にいる人が自分と同じ角度で、同じ景色を見ていたとしても、見えているものは全く違います。なぜなら、脳には自分にとって重要なもの、緊急性の高いもの以外は見ない、というより見えなくなる仕組みがあるからです。

この見えなくなる脳の仕組みを、認知心理学では「スコトーマ」といいます。自分がさほどたいしたことはないとか、重要ではないと思ったことについて、脳が補正フィルターをかけて見えなくしているのです。自分が見たいものだけが見えるし、その結果それが現実となるということです。

例えば、歯が痛いと歯科医の看板しか目に入らなくなります。自分の名前を呼ばれると、見てしまいます。お腹が空いていると、食べたい看板やメニューだけが目に飛び込んできます。

スコトーマ

私たちには、全ての感覚を受け付けると脳の処理が追いつかずパンクしてしまわないように、このような脳のフィルター機能が備わっているからこそ、集中したいときは重要なもの以外のものに意識を取られることなく、集中することができて、日常を過ごす事が出来るのです。

この「スコトーマ」を実行する場所には、自分にとって重要なものは通し、そうでないものは遮断するフィルターの役割を持つ機能が備わっていて、そこを「RAS(ラス)」といいます。

「Reticular Activating System」の略なのですが、日本語で「網様体賦活系(もうようたいふかつけい)」という訳語がついています。脳全体を網目のように覆っていて、脳の全部位を選択的に活性化するネットワークシステムであることから、このような名前がつけられています。

ですから、見るという動作以前に、まず自分の感情が優先します。

無意識のことでも意識していることでも関係なく、今自分が望んでいるもの以外を優先的に、遮断します。目の前に楽しいことが存在したとしても、見えなくなります。

しかも視覚情報だけではなく、その遮断は聴覚、触覚、嗅覚などの全感覚情報を含みます。

例えば、椅子に座っているときに、お尻の感触は普段は気になりませんし、自分に関係のない話や音は耳に入りません。新聞などを見ていて、興味のない記事は目に入りません。

「RASというフィルター」によって、自分にとって重要なもの以外は見えなくなります。つまり、自分の感情が現実を「引き寄せている」ということです。

この「引き寄せの実現」は、自分の信念や思い込みによって生じることが、認知科学によって明らかにされています。

例えば、やりたいことがあったとしても、常識にとらわれ、そんなものは出来っこないとか、あまりにも自分を卑下しすぎたり、セルフイメージや自尊心が低くて、自分には到底無理だなどとネガティブに思い込んでいると、スコトーマの原理によって、できる方法や情報、人脈などが、本当はすぐ目の前にあったとしても、見えなくなってしまうのです。

簡単に言うと、自分の信念や思い込み、セルフイメージに合致したものは自分(の脳)にとって重要なものとなり、よく見えますが、そうでないものは見えなくなります。

人間は、長年培って来た自分の経験や記憶から作り上げた信念や思い込みによって、物事を見ているし、世界を認識しています。

実際は円柱なのに、球体であると思い込んでいたり、実際は円錐なのに三角形だと思い込んだりしています。

「無意識がネガティブな場合、その感情が持つ、見たいものだけを見させ、聞きたいものだけを聞かせ、考えたいことだけを考えさせます。ですから一つの意見・信念・態度に縛られると、望んでいない自分を見させられるのです。そして「心の底から望んでいない自分」の信じるままに、矛盾するものに対してフィルターをかけます。ものを見るときに先入観にとらわれ、何をするにも習慣にとらわれます」

根っこの問題

からだが無意識に囚われた状態

  • 世間とはこういうものだ
  • 仕事はこうでなければならない
  • 社会はこうあるべきだ
  • 私はこういう人だ
  • 私はこうでなければならないという
  • 私はこうしないと幸福になれない

からだが喜ぶ感覚

  • 本当の自分
  • 何を望んでいるか感じる
  • 自分に素直に正直に
  • ウソをつかない
生きるということ

スコトーマを上手に使って、自分の望むものを引き寄せている自然体の人は、良い時も悪い時も、自分や他人を受け入れ、自分に正直で気負っていない、ありのままの、いつもの自分の感情をいつでも素直に受け取れる人です。

反対に、今の自分に対して違和感や不安感を感じていませんか?

それは、「本当の自分が求めていることを無視し続けている」からです。

もし大きな成長や人生に大変革を起こしたいと願った場合、自分にとっての重要なものを変えなくてはなりません。

自分にとっての重要なものを変えるには、信念や思い込み、セルフイメージを大きく変える必要がありますが、「現状の外側のゴール設定」をすることによって可能となります。

それは、「今のままの自分にはやってこないような未来」を勇氣をもって選択することです。

そうでなくては、今までの自分が見ていたのと同じ世界しか見えず、未来はいつまでたっても、今までの人生の延長にしかなりません。大きな変化への道筋はスコトーマに隠れ、見えなくなってしまうのです。

もし仮に「あの人のように生きたい」とか、「あの人のような地位や権力が欲しい」とか、単に他人を羨むものであったとすれば、その人が、そこに至るために経験した失敗や苦労を含む体験や記憶を、あなたが欲するものだったのか?ということを、あなた自身で考えることがとても大切です。

他人にはあって自分にないものを、ただ欲して手に入れようとするだけでは、意味がありません。

大切なのは、「何を求め、望んでいるのか?」つまり、「生きる上で、自分が何によってワクワクドキドキするのか?」ということです。

それは、計画を立てることでもなく、心配することでもなく、まずゴールを設定することによって、「後から勝手に見えてくるもの」なのです。ゴール設定によって信念が大きく変わり、思い込みが外れるからです。

それが重要なやり方・考え方であり、引き寄せの上手な使い方です。ゴールを決めれば、必要なもの、やり方は後から自然に見えてきます。

「ゴールが先、方法は後から」なのです。

そして、ゴールの達成に関係のないものは、見えなくなっていきます。

ゴールに必要なものは、スコトーマが外れると、後から自然に見えてきますが、必要のないものは逆にスコトーマに隠れます。これがいわゆる「集中している」「ゾーンに入る」ということです。ゴールが設定され、自分にとっての重要なものが変わったのです。

私たちは、見ているだけ聞いているだけでなく、見るということ聞くということを感じているのです。つまり身体が望む、自らが楽しいと思えることを感じなければいけません

私たちが願いを実現するために大切なのは、「余裕」と「やる気」です。

余裕とは余白のことです。余白があることで、すべてのものは形を成します。

何度も何度も塗りつぶす必要はないのです。

何事も完璧にする必要はないのです。

やる気とは希望です。自分の望まないことに気持ちは沸きません。

「やる気がない」とは興味がないのです。望んでいないのです。

ですから、やりたくないことはする必要はありません。

自分が望むこと、やりたいことをじっくり意識して、それを余裕をもって、繰り返し「自らが体験する」ことが大切です。

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